■甲辰・乙巳納音 ■音律:徴 ■五行:火性
納音【覆燈火】は、十干の「甲」と「乙」という陽の氣、十二支の「辰」と「巳」の強い陽の氣を備えた火の属性を持つ納音です。覆いに包まれた灯火のように、暗闇では輝きを放つ一方、昼間ではその光が隠れてしまう特徴を象徴しています。
「覆燈火」は辰巳の刻が朝の食事時から日中にかけての時間帯であり、日の光が天下を照し出そうとする勢いに喩えられます。従って、この納音は物事に対して行き過ぎが多いので注意をしないといけません。また、覆燈火の人が持つ才能や個性が、外的な要因や環境に埋もれてしまいがちであることを意味します。せっかくの能力が発揮されず、目立たない人生となりやすいのです。そのため、周囲に埋もれることなく、自ら一歩踏み出し、積極的に行動することが、人生をより輝かせる鍵となります。
覆燈火の火は、ランプシェードに覆われてその明るさが抑えられている状態を指します。火としての本質は明るく周囲を照らす力を持っているにもかかわらず、外的な影響によりその力が発揮されにくいのです。これを人生に置き換えると、能力や才能は確かに存在するのに、それが周囲に認識されず、活用されない状況を象徴。このような逆境が続くと、「どうせ努力しても無駄だ」という諦めの気持ちが生まれやすい点を意識し「なんとかなりそう」と思い込むことがキッカケでどんどん運も味方します。こうした諦めの感情を克服するためにも、学び続ける姿勢を持つことが非常に重要です。どのような分野でもよいので、「勉強」を通じて知識やスキルを積み重ね、自らを磨くことが大切。「こんなことを学んで何になるのか」と考えるのではなく、学ぶことそのものに価値を見出しましょう。学び続けることで、まるで燭台に油を注ぐように、自分自身を燃やし続ける力が蓄えられていきます。
また、覆燈火の人が抱えがちな「気後れ」や「劣等感」を手放すことも重要。こうした感情は、才能を覆い隠してしまう大きな要因となります。「自分にはふさわしくない」「自分には無理だ」といった感情は、他人と自分を比較して生まれた思い込みにすぎません。そのため、自分で勝手に作り上げた壁を壊し、「自分は自分らしく燃えるだけで良い」と気持ちを切り替えることが大切です。火は、覆いがあっても、燃えるという本質を失いません。それと同じように、覆燈火の人も、自らの内にある火を絶やさずに燃やし続けることが生き方の本質となります。
覆燈火の人が成功するためには、「学び続けること」と「劣等感を捨てること」が不可欠。才能が外的要因に埋もれがちであるからこそ、自らの火を絶やさず、燃やし続ける強さが求められます。周囲に惑わされず、他者との比較に囚われず、自分自身の本質を信じて歩んでいくことが、覆燈火の人の人生を豊かにする鍵となるのです。
覆燈火の人が理想とする生き方は、常に初心に帰り、努力と謙虚さをもって、行き過ぎを戒めることにより、独自分野で才能を発揮。他人とは違った視点で物事を捉えることが出来ます。自分の才能を見つけそれを磨くことで周囲に大きな影響を与えることができるでしょう。『三命通会』では楊貴妃の楊を取って「楊燈火」とも言います。楊貴妃のような星との意味がありますので、女性は楊貴妃のようにならないようご注意を。妻の座を守り、家庭に入り、女性の義務を戒めているのがこの「覆燈火」なのです。
🅰:甲辰 衰
十二運は「衰」となりますが、納音五行の火(丙)から見ると辰は冠帯となり、また天干の甲は火を生じるために盛んなる気が内在していると見ます。行き過ぎに注意しなければならない「覆燈火」ですから、物事は八分を旨として無理をせずに前進すれば発展をして行きますが、無理をし過ぎれば却って失敗を招くことがあります。楊貴妃的な星ですから、この納音に、更に傷官が現れると、冷たい感じの美人が多いとされています。自分の美貌に溺れた楊貴妃は、権力への誘惑と帝に侍るのではなく、帝を通して自分の意のままに天下を繰ろうとしたため、自ら破滅を招いた歴史を戒めにしなければなりません。この歴史的事実は、女性の分と節操を守り驕り高ぶりを戒めています。男女ともに優れた才能を内包している納音なので、職業的には文官、学者、政治等で成功率が高く、女性は芸能の才能を持ってるとされていますので、この納音の人は謙遜さと道徳心、自制心を持って努力すれば成功できる人です。
🅱:乙巳 沐浴
十二運は「沐浴」となりますが、Aと同様に納音五行の火(丙)から見ると、巳は建禄となり、また天干の乙は火を生じる為に、盛んなる気が内在していると見ます。そして、初心に帰って努力するならば運気は発展しますが、「沐浴」であることも相俟って、一番の欠点は人の言葉を受け入れにくい点があることです。女性は結婚運が余り良くありません。男性は若年の頃に色情の過ちを犯しやすいことです。早婚の場合は再婚しやすく、Aの甲辰と同じ様に、楊貴妃の戒めに鑑み、女性は分を守り節操を戒めれば安定した人生になりますが、五行四柱が悪ければ、自らそれを壊してしまう形になります。職業的には男女とも技術、芸能方面に向いていて、特に技術の才覚は優れているとされています。傷官が付いた場合は美人が多く、楊貴妃と言われている星です。
※🅰も🅱も一言で言えば「天狗になったら駄目」ということ。「覆燈火」で天狗になって物事を進めれば、人からの反対を受ける事が多いものです。
覆燈火の著名人 |
---|
天海祐希さん 1967年8月8日生まれ |
戸田恵梨香さん 1988年8月17日生まれ |
小雪さん 1976年12月18日生まれ |
大島優子さん(元AKB48) 1988年10月17日生まれ |
渡辺直美さん 1987年10月23日生まれ |