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納音(なっちん)の名前って、なんでこんなに美しいの? ― 大和言葉とのつながりをやさしく解説【一覧表あり】

美しき納音名(なっちんめい)のルーツをたどる旅
大和言葉で読み解く、美しい納音名の秘密とは
納音(なっちん)は、六十干支を基にした分類であり、陰陽五行説と密接に結びついています。それぞれの納音は、自然の要素を表す形容詞と名詞の組み合わせで構成されており、日本の大和言葉が持つ自然観や感性と強い関連性があります。日本語の大和言葉もまた、自然や季節、物の本質を表す詩的な表現を豊富に持ち、日本人の精神文化に深く根ざしています。以下、各納音の名称とそれに関連する大和言葉の表現についてサクッと解説します。

大和言葉との共鳴
大和言葉には、古来からの日本人の感性が宿っており、自然や万物のエネルギーを表す独特の響きがあります。納音の名称もまた、同じように自然のエネルギーを象徴しているため、大和言葉の言霊力を明確に感じ取ることができます。
納音の名称には、それぞれ言霊のエネルギーが宿っています。これらの名称は、自然界の象徴を表し、その音の響きや意味によって特有の波動を持ちます。以下に、それぞれの納音に対応する言霊のエネルギーを示します。

1. 金の属性— 硬質な金属の輝きや鋭さを象徴するやまとことば
金の納音は、剛健さ、純粋さ、そして刃の鋭さを象徴します。
納音名 |
意味(象徴するエネルギー) |
大和言葉の響き・語源 |
言霊のエネルギー |
海中金(かいちゅうきん) |
海中に眠る黄金のように、秘めたる輝きと可能性を表現。 |
「潮光る(しおひかる)」「浪間の煌(なみまのきらめき)」 |
秘められた価値が、時を経て輝きを放つエネルギー |
釼鋒金(けんぽうきん) |
刃物の鋭さを表す大和言葉。冷徹さや決断力を象徴。 |
「霜の刃(しものは)」「鋭き光(するどきひかり)」 |
鋭く研ぎ澄まされた意志が、すべての障害を断ち切るエネルギー |
白鑞金(はくろうきん) |
白銀に輝く金属のような冷たさと優雅さを表現。 |
「月映ゆ(つきはゆ)」「銀波(ぎんぱ)」 |
純粋な輝きが、時とともに自在に変化し、真価を発揮するエネルギー |
金箔金(きんぱくきん) |
金箔の繊細な美しさを象徴。 |
「光り塗る(ひかりぬる)」「金の霧(かねのきり)」 |
華やかさと純粋な価値が融合し、最大限の輝きを放つエネルギー |
沙中金(さちゅうきん) |
砂の中に埋もれた金のような秘めた可能性を表す。 |
「砂光る(すなひかる)」「隠珠(いんしゅ)」 |
埋もれた才能や価値が、緻密な努力によって輝きを増すエネルギー |
釵釧金(さいせいきん) |
女性の装飾品である釵(かんざし)や釧(くしろ、腕輪)に由来、優雅さや女性的な美を象徴 |
「麗飾(うるわし)」「光環(ひかりわ)」「玉響(たまゆら)」 |
美しさと絆が共鳴し、高貴な輝きを生むエネルギー |

2. 木の属性— 生命力・成長・揺るぎない強さを象徴するやまとことば
木の納音は、大地に根を張る強さや成長、しなやかさを表します
納音名 |
意味(象徴するエネルギー) |
大和言葉の響き・語源 |
言霊のエネルギー |
大林木(たいりんぼく) |
深く大きな樹々のざわめきが奏でる音色を表す。 |
「森の響き(もりのひびき)」「風渡る(かぜわたる)」 |
大きな森のように、多くの命を育み、繁栄し続けるエネルギー |
楊柳木(ようりゅうぼく) |
柳のような柔軟性や、穏やかに揺れる様を表現。 |
「しなやかに揺る(しなやかにゆる)」「撓やか(たおやか)」 |
どんな環境にも適応し、しなやかに生き抜くエネルギー |
松柏木(しょうはくぼく) |
松や柏のように一年中変わらぬ強さを象徴 |
「千年の緑(せんねんのみどり)」「冬青む(ふゆぐすむ)」 |
厳しい環境の中でも力強く成長し、永遠に続くエネルギー |
平地木(へいちぼく) |
平原に生える樹木の穏やかさを表現。 |
「野風に揺る(のかぜにゆる)」「草木の眠り(くさきのねむり)」 |
地にしっかり根を張り、安定した成長を遂げるエネルギー |
桑柘木(そうしゃくぼく) |
桑や柘(くぬぎ)が実を結ぶ・豊かさを象徴。 |
「実生る(みのる)」「養樹(やしないぎ)」 |
実り豊かな未来へ向けて、しっかりとした基盤を築くエネルギー |
柘榴木(ざくろぼく) |
柘榴は硬い実の中に宝石のような果実がぎっしり詰まっている様を表し、豊穣や生命力を表現。 |
「実裂く(みさく)」「豊艶(ほうえん)」 |
秘めた可能性が、時を経て爆発的に開花するエネルギー |

3. 水の属性— 変化・流れ・柔軟性を象徴するやまとことば
水の納音は、流動性や変幻自在な性質、生命の源を象徴します
納音名 |
意味(象徴するエネルギー) |
大和言葉の響き・語源 |
言霊のエネルギー |
澗下水(かんかすい) |
山の岩間を美しく透明な石清水の源流が流れる音色を表現。 |
「谷川のさざめき(たにがわのさざめき)」「岩を打つ水(いわをうつみず)」 |
静かに流れながら、根底を支える秘めたエネルギー |
井泉水(せいせんすい) |
井戸や泉から湧き出る清冽な水を象徴。 |
「湧き出づる(わきいずる)」「清ら水(きよらみず)」 |
絶えず湧き出る知恵と豊かさのエネルギー |
長流水(ちょうりゅうすい) |
絶えず流れ続ける水の力強さを表現。 |
「絶えぬ流れ(たえぬながれ)」「川音高し(かわおとたかし)」 |
絶え間ない流れが、成長と発展を促すエネルギー |
天河水(てんがすい) |
天の川の水を例え、宇宙的な知識・直感を表現。 |
「星流る(ほしながる)」「天水(あまみず)」 |
天空から絶え間なく流れ、全てを潤すエネルギー |
大渓水(だいけいすい) |
大きな渓流の水を表し、勢いのある流れを象徴。 |
「滝音(たきおと)」「奔流(ほんりゅう)」 |
深い谷の流れのように、静かに物事を動かすエネルギー |
大海水(だいかいすい) |
広大な青き海原の水のような深遠さ・包容力を表現。 |
「渺茫(びょうぼう)」「潮満つ(しおみつ)」 |
全てを包み込み、無限の可能性を秘めるエネルギー |

4. 火の属性— 熱・情熱・エネルギーを象徴するやまとことば
火の納音は、情熱、変革、激しいエネルギーを持つものを示します
納音名 |
意味(象徴するエネルギー) |
大和言葉の響き・語源 |
言霊のエネルギー |
爐中火(ろちゅうか) |
炉の中で静かに燃える炎を表現。 |
「炎燃ゆ(ほのおもゆ)」「焔揺らぐ(ほむらゆらぐ)」 |
内に秘めた情熱が持続し、大きな創造の力となるエネルギー |
山頭火(さんとうか) |
山頂で燃える炎の勢いを象徴。 |
「峰燃ゆる(みねもゆる)」「火の雲(ひのくも)」 |
頂点を目指す情熱が、揺るぎない意志とともに燃え上がる爆発的エネルギー |
霹靂火(へきれきか) |
天から落ちる雷火や稲妻の激しさを表現。 |
「稲妻走る(いなずまはしる)」「雷鳴轟く(らいめいとどろく)」 |
瞬時に変化を引き起こし、激しく燃え上がる覚醒エネルギー |
山下火(さんかか) |
山々が美しく色づく山麓で燃える暖かな火を象徴。 |
「焚火の温もり(たきびのぬくもり)」「陽炎ゆらぐ(かげろうゆらぐ)」 |
目に見えない場所で燃え続ける、根底からの変革エネルギー |
天上火(てんじょうか) |
天まで立ち昇り燃える火柱のような神聖さと直観を表現。 |
「赫耀(かくよう)」「天炎(あまほむら)」 |
天空に燃え広がるような、無限の可能性を秘めたエネルギー |
覆燈火(ふくとうか) |
覆われた灯火のように、隠された情熱や静かな炎を表現。 |
「燈影(ともしびかげ)」「密焔(みつえん)」 |
静かに燃えながら、周囲を温かく導くエネルギー |

5. 土の属性— 安定・基盤・実りを象徴するやまとことば
土の納音は、大地の安定感や育む力を象徴します
納音名 |
意味(象徴するエネルギー) |
大和言葉の響き・語源 |
言霊のエネルギー |
路傍土(ろぼうど) |
道端の土の堅実さや人々の営みを表現。 |
「道の塵(みちのちり)」「踏みしめる(ふみしめる)」 |
すべての人の道を支える、安定と導きのエネルギー |
城頭土(じょうとうど) |
土を押し固め城の土台となる強固な土を象徴。 |
「砦の堅(とりでのかたし)」「石垣の静寂(いしがきのしじま)」 |
強固な基盤を持ち、頂点を守るエネルギー |
屋上土(おくじょうど) |
高台にある土が天とつながる様子を表現 |
「高き土(たかきつち)」「雲近し(くもちかし)」 |
高みから全体を見渡し、安定をもたらすエネルギー |
壁上土(へきじょうど) |
壁のように堅牢な土の存在感を象徴。 |
「塀の静けさ(へいのしずけさ)」「土蔵の守り(どぞうのまもり)」 |
強固な守りを築き、大切なものを守るエネルギー |
沙中土(さちゅうど) |
砂の細やかさ、密集する砂地の土のような緻密さと隠れた強さを表現。 |
「砂埋もる(すなうもる)」「密土(ひそど)」「微塵集う(みじんつどう)」 |
柔軟に形を変えながら、全てを包み込むエネルギー |
大駅土(だいえきど) |
駅や道に関係する要の土を表し、変化・移動を表現。 |
「路繋ぐ(みちつなぐ)」「旅土(たびつち)」 |
人と人、場と場をつなぎ、大きな流れを生むエネルギー |

納音と言霊エネルギーの活用方法
大和言葉が持つ言霊を意識して言葉にすると、その納音のエネルギーをより強く感じ、活かすことができます。例えば、「霹靂火(へきれきか)」の人が「雷火(らいか)」という言葉を意識して使うと、変革の力を引き出しやすくなります。
納音の名称は、それ自体がエネルギーを持ち、さらに適切な大和言葉と結びつけることで、より深くその意味を理解し、活用することができます。

まとめ
納音の名称は、大和言葉の持つ言霊の響きと非常に深い関係があります。なぜなら、大和言葉は自然との調和を重んじ、その音の響き自体にエネルギーが宿ると考えられているからです。
納音は、中国古代の音韻理論に基づいていますが、日本においては、大和言葉の持つ自然観や四季の感覚と深く結びつき、より豊かな日本独自の意味合いを持つようになりました。これは、日本人が古来より「目に見えないものの美しさや気配」を言葉にする文化を大切にし、「目に見えないものへの存在に感謝と畏敬の念」を持って接してきたことに起因していると言えるでしょう。

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