甲戌は六十干支の11番目の干支。天干の「甲(きのえ)」は陽の木のエネルギー。決して曲がることのない高い理想とプライドを象徴する「大樹」です。地支の「戌(いぬ)」は陽の土のエネルギー。それは秋の終わり、10月の万物のエネルギーが内へと収蔵されていく乾いた「山岳」を象徴。この干支は、木剋土(もっこくど)」—大樹(甲)がその根をもって大地(戌)を常にそして厳しく律するという内面的な「葛藤」の構造によって成り立っています。あなたの魂は生まれながらにして、自らの高い「理想(木)」を厳しい「現実(土)」という大地にいかにして根付かせるかという気高く、そして孤独な探求の旅を宿命づけられているのです。
Chapter1.心の世界観:
~秋の終わりの山にただ一本天を目指す大樹~
甲戌の心の世界観は、全ての収穫が終わり冬の訪れを前に静かに乾いた秋の終わりの広大な山。
そして、その決して肥沃とは言えない大地に、それでもなお天を目指し真っ直ぐに、そして深く深く根を張ろうと奮闘する一本の大樹。晩秋の荒野で色彩豊かに紅葉している樹木をイメージ。冬を目前に最後の力で鮮やかに黄色や橙(だいだい)から燃えるような深紅へと変化していく木の葉が冷たい秋風に吹かれ、荒涼とした大地の上に舞い落ちる様をあらわしています。硬くまっすぐパワフルに伸びる樹木のように持ち前の行動力と実直さを活かし、得意分野に根を張り目標に向かって成長するのが理想的。やがては黄金に輝く実りある人生の収穫を得られるでしょう
②五行:木(天干)-土(地支)/木尅土
③種類:蓋頭干支
④十二運:養
⑤納音:山頭火(音律:徴、納音五行:火)
⑥納音十二運:自墓
⑦空亡:申酉
⑧羊刃:卯
Chapter2.その運命:
~守られた魂と現実への挑戦~
『甲戌』の人生は、その内なる豊かな世界をいかにして現実の厳しい大地の上で確かな「形」として根付かせていくかという誠実な創造の旅路となります。
生まれ持った性質(日柱干支):
~穏やかな物腰と内に秘めたる不屈の誠実さ~
『甲戌』のあなたは、物静かでおっとりとしていて誰に対しても誠実で優しい印象を与えるでしょう。しかしその穏やかな佇まいの奥には、決して自らの信念を曲げない驚くほど頑固な意志とストイックな精神が静かに宿っています。見掛けは地味で温厚な雰囲気を持っていますが、芯は強く弱音を吐かずに頑張る外柔内剛型の人。素朴で安定性のある世界を求め、自分の縄張りは頑固に守り抜こうとします。純粋な情熱を持ち、潔癖さと誠実さがあります。保守的で義理人情を重んじる人ですが、時として情熱家の面をのぞかせます。控え目な人柄に見えますが、利発で物事に対する理解力に優れ、物事の裏表に通じます。考え方の基本は合理主義です。合理主義者ですから質素で、無駄を嫌います。その才覚によって、たとえ生家が貧しくても、高位高官に登る運を持ち、または、商才を発揮して財をなす人もあります。基本的には楽天的なのですが、内面に気むずかしさと気位の高さがあります。四柱によっては偏屈にもなります。特に女性は明るく勝気で芯が強く、やんちゃ娘のようです。思慮分別があり、研究熱心ですが、場合によってはそれが計算高さと映ることもあります。世話好きな人が多く、よく気がつきます。人の情や心の動きがよく判る人で、態度はちょっとツンとしているような部分もありますが、内心は温かみのある人です。中にはお節介を焼きすぎてしまう人もあります。十二運が「養」なので、男女とも実母以外の人に養われたり、他家を継いだり、養子運があります。男性は典型的な養子運ですし、女性は女姉妹ばかりで、婿養子を貰うようなことがあります。欠点は男性の場合、色情で家庭を壊す恐れがあるので四柱・五行によっては注意が必要です。
天賦の誠実さと、責任感:
あなたは、生まれながらにして嘘や裏切りを何よりも嫌います。一度引き受けたことは、どのような困難があろうとも最後まで誠実に、そして責任をもってやり遂げようとするでしょう。その実直で信頼に足る人柄は、多くの人々から深い尊敬を集めます。
内に秘めたる理想主義とストイックさ:
あなたは常に、自分自身をより高い場所へと引き上げたいと願う理想主義者です。その妥協を許さない姿勢は、時にあなた自身を厳しく律し、追い込むストイックな求道者へと変えます。その内なる葛藤こそが、あなたを人間として深く、そして大きく成長させる原動力なのです
運気の傾向【甲戌 養 火性 山頭火】
この日生れの人の運気は中の下とします。性質は利発で物事をよく理解し、その表裏に通じます。そして、それにより財を成す特徴を持っています。また物事を推理する能力が優れた人もいます。しかし一方で実力もないのに虎の威を借りて高慢になったり、誇大粗暴の心を起こしたり、または大業を夢見て、いつも貧寒としているような人もいます。これはすべて自分本意となり身の程知らずから出る欠点で大いに慎まなければいけません。いつも明るく人と交わり、すっきりとした五月晴れのような気持ちで人のために働き、慈悲の心を大切にして真の勇気を持って処世していけば、必ず人の上に立って財富に恵まれるものです。病気は眼病、神経痛、骨の病気、肝臓、癌などに注意。
あなたのその乾いた大地(戌)の最も深い場所には、実は「火」のエネルギーがまるでマグマのように眠っています(戌は火の墓庫)。あなたの使命は、ただ穏やかに守られて生きることではありません。
自らの高い理想(甲)を信じ抜き行動を起こすことで、その内に秘めた爆発的な「情熱の炎」を解き放つこと。その勇気ある一歩を踏み出した時、あなたのその乾いた大地は、生命を育む豊穣の大地へと変貌を遂げるのです。
Chapter3. 二つの潮流:
~山頭火の異なる物語~
『甲戌』は、「山頭火(さんとうか)」という納音に属します。
これは「山の頂で静かに、しかし激しく燃え上がる野焼きの炎」を象徴します。大樹(甲)の魂を持ちながらその本質的な使命は、自らが「炎」となり古いものを焼き払い新たな始まりを告げることにある。この「木」と「火」の破壊と創造のサイクルこそが、あなたの他に類を見ない影響力の源泉なのです。
あなたの使命は、ただ誠実に物事を守ることだけではありません。
時にその内に秘めた爆発的な情熱をもって、古い常識や淀んだ空気を一瞬にして焼き尽くし新たな「再生」の土壌を創り出すこと。
あなたが普段の穏やかさをかなぐり捨て、自らの信念のために立ち上がった時、その山火事のような圧倒的なエネルギーは、多くの人々を覚醒させ新しい時代へと導く力となるでしょう。
Final Chapter.
あなたは静かなる革命の炎となる
『甲戌』のあなたにとって人生とは、自らの内に宿る天を目指す理想を厳しい現実という乾いた大地に深く深く根付かせるための誠実で孤独な闘いです。
そしてその闘いの果てに、あなたは自らが一つの不動の「山」となり、その頂には常に未来を照らす聖なる「炎」が燃え盛るという気高い境地へと至るのです。
その静かで、しかし絶対的な存在感。
その穏やかで、しかし内に革命の炎を秘めた熱い魂。
やがて多くの人々が、その偽りのない誠実な光を求めてあなたの元へと集う日が必ず訪れるでしょう。
あなたは、ただあなたらしく静かに、そして熱くそこに在ればいい。
その矛盾を抱えた美しい魂こそが、この世界がずっと待ち望んでいた本物のリーダーの姿なのですから。
■日干が「甲戌」の有名人の例
【男性】
本居宣長(国学者・文献学者・医師、『古事記伝』、寛刑主義)
中曽根康弘(政治家・首相、自民安定政権、暴漢禍〝風見鶏〟)
渋沢栄一(実業家、日本資本主義の父、『論語』を指針にする)
朝永振一郎(物理学者、ノーベル物理学賞)
幸田露伴(作家、『五重塔』、文化勲章)
小林多喜二(作家、『蟹工船』、特高警察の拷問で亡くなる)
明石康(国連大使、国連事務次長、カンボジアPKO代表)
額賀福志郎(自民党、官房長官、KSD事件で辞任)
コロンビア・トップ(タレント、漫才師、政治家、二院クラブ)
神田真秋(一宮市市長→愛知県知事)
三上誠三(経営、羽柴グループ代表、”羽柴誠三秀吉”を自称)
ロッキー青木(冒険家、世界的日本料理店「ベニハナ」創業者)
谷川浩司(将棋棋士・最年少名人、三浦問題で連盟会長を辞任)
小津安二郎(映画監督、「秋刀魚の味」)
益田喜頓(喜劇俳優、<あきれたぼういず>結成)
佐藤B作(俳優)
西村雅彦(俳優、「古畑任三郎」今泉刑事役でブレイク)
生田斗真(俳優・タレント、ジャニーズ、〝第2のキムタク〟)
南こうせつ(歌手、<かぐや姫>、「神田川」)
財津和夫(歌手<チューリップ>和製ポール・マッカートニー)
森脇和成(漫才師、<猿岩石>、ホストクラブの経営)
田村淳(お笑い芸人・タレント、お笑いコンビの<ロンブー>)
富永一郎(漫画家)
蟹瀬誠一(キャスター、ジャーナリスト)
沢田教一(報道カメラマン、取材中狙撃され死亡)
沢村栄治(プロ野球、投手、巨人、日本初ノーヒットノーラン)
古葉竹識(野球、野手、広島監督、広島黄金期を指揮した名将)
松岡修造(テニス、スポーツキャスター)
平井伯昌(水泳、アテネ五輪金メダリスト・北島康介のコーチ)
笠谷幸生(スキー)
旭国斗雄(相撲、大関、大島親方、”相撲博士”の異名を取る)
朝日昇(格闘技、修斗、第3代修斗ライト級王者)
湯川英一(セガ・エンタープライズの専務、自虐的CMが話題)
ネロ(第5代ローマ帝国皇帝、暴君、クリスチャン虐殺、自殺)
アルフレッド・アドラー(精神科医・心理学者〝個人心理学〟)
ブルース・リー(俳優・武道家、「燃えよドラゴン」、截拳道)
ヨハン・クライフ(サッカー選手・指導者、20世紀を代表する)
【女性】
土井たか子(衆議院議長、社会党→社民党党首→党勢不振辞任)
吉本ばなな(作家、父は文芸評論家の吉本隆明)
新章文子(推理作家・小説、江戸川乱歩賞、『四柱推命入門』)
池内淳子(女優)
松尾嘉代(女優)
喜多嶋舞(女優、母譲りの清楚な美貌、大沢樹生と10年目に離婚)
菊池桃子(女優・タレント・大学教員→労働分野の講義を担当)
伊藤蘭(女優・元歌手・ナレーター、元<キャンディーズ>)
筒井真理子(女優、演技幅の広さと演じ切る度量、涼やかな目)
安田美沙子(タレント・女優、トライアスロン挑戦、双子の姉)
優木まおみ(マルチタレント、女優・歌手・グラビアモデル等)
茂森あゆみ(歌手、「だんご3兄弟」、NHK歌のお姉さん)
ハイヒール・リンゴ(女性漫才コンビ、吉本興業、ツッコミ担当)
村上知子(お笑い芸人<森三中>ツッコミ担当、女優、肥満体)
山下千尋(エレクトーン奏者、ヤマハ演奏グレード1級保持者)
ドクトル・チエコ(医師、産婦人科医)
ジャクリーン・オナシス(JFK夫人・暗殺事件→富豪と再婚)
コンドリーザ・ライス(米国務長官、“ソ連を倒した女”黒人)
アンゲラ・メルケル(独で初の女性首相、キリスト教民主同盟)
クラリス・アグベニュー(柔道家、東京五輪で金「暴行事件」)