癸丑は六十干支の50番目の干支。天干の「癸(みずのと)」は陰の水のエネルギー。全てを潤し生命を育む、清らかで優しい「雨」を象徴。地支の「丑(うし)」は陰の土のエネルギー。真冬の厳しさの中、全ての生命の種子をその内に静かに、そして頑固なまでに守り続ける「凍てついた大地」です。あなたの魂の根底には、この「慈雨の如き、深い知性(癸)」と「凍土の如き、無限の忍耐力(丑)」が静かに、そしてどこまでも重厚に融合しています。その冬の大地のような何事にも動じない静けさが、あなたに他に類を見ない「探求心」と「大いなるものを成し遂げる力」を与えているのです。
Chapter1.心の世界観
癸丑の世界観は、真冬の夜。凍てつくように冷たい雨が静寂に包まれた広大な大地に、音もなく降り注いでいる。その雨は、凍てついた土をゆっくりと、しかし確実に潤し、その最も深い場所で来るべき春の小さな小さな生命の種子を守り育んでいる。冬の大地に降り注ぐ冷たく激しい雨を象徴します。冷たい雨が大地をぬらし、霜が解けた土が重たくなるイメージ…これが癸丑の人が心の奥底に広がる心象風景です。その景色のように、あなたは極めてストイックで忍耐強く、そして自らの内なる世界をどこまでも深く探求する孤高の魂の持ち主です。決して軽々しく自らの内面を他者に見せることはありません。常に物事のそして自分自身の、「本質」とは何かを、静かな冬の大地のように途方もない時間をかけて思考し続けています。あなたは生まれながらにして、一つのことを極限まで突き詰める「研究者」であり、「哲学者」です。流行や他者の評価といった表層的なものには、一切心が動きません。あなたが信じるのは自らの深い思索と長い時間をかけて掴み取った、揺るぎない「真理」のみ。その媚びることのない求道者のような姿勢は、あなたの周りに一種、犯しがたいほどの気高いオーラを創り出しているのです。
この、「冬の雨のようなどこまでも深い、内省的知性」と、「凍てつく大地のような、計り知れないほどの忍耐力」。
この二つの究極の要素があなたの内で完璧な静寂の中で共存することで、あなたという存在に計り知れない深みと人を惹きつけて離さない特別なカリスマ性を与えています。しかしそのあまりにストイックな精神性は、時にあなたを、「行動」よりも「思考」を優先させ、絶好の好機を逃してしまうという危うさをも同時に抱えているのです。その鋭すぎる知性は、悪意なくして行動的な人々の熱意や情熱を冷ややかに分析してしまうかもしれません。
冬の雨のように、一見大人しくおっとりしている印象を与えます。冷静で静かな雰囲気をまといながらも、内面には豊かな感受性を秘めています。孤独に耐える力を持ち、一人で行動することを好みます。そのため、他人から見ると本音を隠しているように映り、自分本位に見られることもありますが、実際には義理堅く、面倒見の良い一面を持っています。冷たい雨が大地を潤すように、癸丑の人は使命感を持って、自分の信じる道を進みます。他人の評価を気にせず、自分の価値観を軸に動き、独自のスタイルを貫くマイペースな性格です。その一方で、内側には激しい情熱と闘志を秘めています。負けず嫌いでプライドが高く、心に決めた目標にはストイックに取り組みます。どんな困難にも屈せず、自分の力で物事を成し遂げようとする強い信念の持ち主。ただし、このような強さが行き過ぎると、頑固で周囲の意見を受け入れにくい一面が表れることもあります。自分のやり方に固執しすぎて、人の助言やサポートを無視してしまうことで、周囲との関係がぎくしゃくする可能性があります。また、癸丑の人は鋭い感覚と高い直感力を持っており、頭の回転が速く、素早い判断や行動が得意。瞬時に状況を理解し、抜け目なく実務をこなすことができます。優れた直感力と先見の明を武器に、コツコツと時間をかけて取り組み目標を達成させる、いわば大器晩成型タイプ。未来を見据えた行動を取れる才知豊かな人です。癸丑の人が理想的な人生を歩むためには、冷たい雨が大地を潤すように、自分の得意分野で周囲に貢献しながら成長すること。また、本音を周囲に伝え、調和を大切にすることで、持ち前の実行力や知性を最大限に活かし、充実した人生を築くことができるでしょう。
②五行:水(天干)-土(地支)/土尅水
③種類:截脚干支
④十二運:冠帯
⑤納音:桑柘木(音律:角、納音五行:木)
⑥納音十二運:自冠
⑦空亡:寅卯
⑧羊刃:丑
⑨日柱の吉凶星(神殺):羊刃、福生貴人、暗禄
Chapter2.その運命:
福星貴人と羊刃、慈愛と激しさを宿す土尅水の宿命
『癸丑』のあなたは、生涯を通じて豊かな人生を送ることができる吉星『福星貴人』と、頂点を極める者の強烈なエネルギー『羊刃』という、究極の「慈愛」と「激しさ」をその身に同時に宿しています。そして、その内には自らの大地(土)で自らの知性(水)を堰き止めようとする土尅水という絶え間ない自己葛藤も抱えています。
生まれ持った性質(日柱干支):
すべてを内包する大地の忍耐とすべてを潤す慈雨の知性
『癸丑』のあなたは、大地(丑)のように驚異的なまでの忍耐力と持続力を持っています。あなたは他者に頼ることなく、自らの内なる知性の雨(癸)を、その大地に何十年とかけて蓄え続けることができるのです。
その深い探求心と妥協のない姿勢は、あなたをあらゆる分野で大器晩成型のトップレベルの専門家や孤高の思想家へと押し上げるでしょう。男性は一見風采が上がらず暗い感じの人が多いのですが、先見の明があり、外柔内剛型の性格です。自由を愛し束縛を嫌い、頑固ですが、直感や閃きによって情熱をかき立てて動き回ります。毒舌家で、好き嫌いも激しく、人に合わせることは苦手です。自尊心が強く、世の中からは変人に見えても内面には崇高な精神を持っています。情緒と情念を生きる糧とします。どんな環境でも適応する粘り強さと頑張りを持っていますが、変化のない世界や、義務と強制の世界では枯れてしまいます。自信過剰で大胆な行動をとることがありますが、中には大風呂敷を広げて、自分の実力以上のことに手を出して失敗を招くケースもあり、また常識がないとひんしゅくをかってしまうこともあります。配偶者運は余り良くありません。結婚にトラブルが発生することも多く、男性は初婚の妻との生死別の可能性があります。
天賦の魅力と人を惹きつけて離さないオーラ:
あなたは生まれながらにして、どこか近寄りがたいほどの「神秘性」と全てを知っているかのような「賢者」のオーラを持っています。その無口で、しかし圧倒的な存在感が逆に多くの人々、強く惹きつけるのです。
内に秘めたる完璧主義と頑固さ:
あなたは自らが「真実」であると完全に納得するまで、決して行動に移すことがありません。その研究者のような完璧主義があなたの探求の質を極限まで高めます。しかしその強すぎる信念は、時に他者の現実的な意見を、一切受け付けない絶対的な「頑固さ」へと変貌する危険性を同時に抱えています。
運気の傾向【癸丑 冠帯 木性 桑柘木】
この日生れの人の運気は下の上とします。折り目の正しいキチンとした事を好み、悪を憎む心が強い、正義派の人ですが、その割には気弱な人が多く、内弁慶になりやすいものです。それに頑固一徹な処もあって、偏屈な性格です。この欠点を直さないと運は開かれません。只この生れには意志が強くて万難を排し、七転び八起き、辛抱して働き通す人もいて、その気慨を発揮して大事業を起し成功することができます。
とにかく一芸一能に達しようとする堅固な精神こそ最上の宝です。人の意見を聞き入れ、その良きを取って、わが身の計らいとすることが大切です。心身ともに打たれても壊されぬ強い抵抗力の持主となるよう努めること。老いて思わぬ富貴に恵まれ、輝く幸福がおとづれるでしょう。病は肺、眼、耳の病。胃腸、神経痛などに注意。
あなたの使命は、その完成された内なる世界に、ただ安住することではありません。
その磨き抜かれた知性の雨(癸)を、それを蓄えてきた大地(丑)の上すなわち、この現実世界へと「実り」として解き放つと決意すること。
あなたがその完璧な理論に一滴の「実践」という、勇気を加えることができた時、その知性は真に世界を豊かにする気高い「恵み」となるのです。
Chapter3.二つの潮流:
桑柘木の異なる物語
『癸丑』は、その本質(納音)が「桑柘木(そうしゃくぼく)」という「木」のエネルギーに属します。
これは「桑や柘(つげ)といった、人々の生活に具体的な恵みをもたらす有用な木」を象徴します。この究極の「水」と「土」の姿を持ちながら、その本質が最も「生産的」な「木」であるという最も劇的な矛盾こそが、あなたの真の使命を解き明かす鍵です。あなたのその「冬の大地」のような無限の忍耐と探求は、ただ自らの悟りのためだけに与えられたのではありません。
それは、その長く厳しい冬の時代を耐え抜いた者だけがもたらすことができる、最も豊かで最も価値のある「実り(桑柘木)」をこの世界に生み出すために与えられた神聖な才能なのです。
あなたの使命は、「孤高の哲学者」から、「社会に豊かさをもたらす実践家」へと自らを昇華させていくことです。
あなたがその類稀なる探求心と忍耐力をもって、誰もが不可能だと諦めていたような壮大な「果実」を、この現実世界に実らせた時、あなたの人生は最も深く、そして気高い輝きを放つでしょう。
Final Chapter.
あなたは静かなる時代の礎となる
『癸丑』のあなたにとって人生とは、自らの内に広がる冬の大地のような静寂の中で春の種子を静かに、しかし決して諦めることなく育み続ける気高い旅です。
その全てを見通すような静かで、しかしどこまでも深い眼差し。
そのどんな時代の嵐にも決して揺らぐことのない、絶対的な不動性。
やがて多くの人々がその計り知れない知性とあなたが長い時間をかけてもたらしたその豊かな「実り」に自らの未来の希望を見出し、あなたの周りに新たな「時代」が築かれていく日が必ず訪れるでしょう。
あなたはただ静かに、そして深くそこに在ればいい。
その冬の大地に春を秘めた魂こそが、この混沌とした世界がずっと待ち望んでいた真の「賢者」であり未来を支える「偉大なる礎」そのものなのですから。
日干が「癸丑」の有名人の例
【男性】
徳川吉宗(武家、第8代将軍、「享保の改革」、幕府中興の英主)
伊藤博文(明治の政治家、初代総理大臣、ハルピンで暗殺→国葬)
玄奘三蔵(仏教僧、『大唐西域記』、天竺へ経典を求めての旅)
新渡戸稲造(教育者、東京女子大初代総長、クリスチャン)
福田赳夫(政治家、首相、自民党、大蔵省出身、OBサミット)
井上馨(政治家、外相、蔵相)
田英夫(参議院議員、社民連)
瀬島龍三(経営参謀、企業参謀、伊藤忠商事)
出井伸之(実業家、ソニー社長「VAIO」成功、IT戦略会議議長)
毛利衛(理学博士、日本初の宇宙飛行士)
高木貞治(数学者、文化勲章、高木類体論で世界的金字塔)
細川隆一郎(評論家、毎日新聞政治部長を経る)
小宮山正九郎(実業家、喫茶店「銀座ルノアール」の創業者)
川端康成(作家、ノーベル文学賞、ガス自殺、『雪国』)
邦光史郎(作家、企業ミステリー小説)
小島直記(作家)
新田次郎(作家)
斎藤茂吉(歌人)
三浦光世(歌人、三浦綾子記念文化財団理事長、三浦綾子の夫)
河竹黙阿弥(歌舞伎の劇作家、白波物、死の直前まで創作)
富田勲(シンセサイザー奏者、作曲)
宮崎駿(アニメ監督、アニメーター、漫画家、アニメ界の巨匠)
かわぐち・かいじ(漫画家、『沈黙の艦隊』、講談社漫画賞他)
モンキー・パンチ(漫画家、「ルパン3世」がアニメ・映画化)
片岡千恵蔵(俳優、東映の重役スター、晩年20年は愛人と生活)
谷啓(俳優)
藤村俊二(俳優)
安藤昇(俳優、プロデューサー、元ヤクザ、安藤組組長、家相学)
金子信雄(俳優、料理、スキンヘッド)
石原良純(俳優、タレント、気象予報士、城マニア、父慎太郎)
松崎しげる(歌手、「愛のメモリー」)
ラサール石井(タレント)
上島竜平(タレント、<ダチョウ倶楽部>)
中田敦彦(漫才師・俳優、<オリエンタルラジオ>“武勇伝”)
ヒロシ(お笑いタレント、漫談師、哀愁の自虐ネタでブレーク)
大澄賢也(ダンサー、小柳ルミ子の元夫)
田村魚菜(料理研究家、TVの料理番組で人気を集める)
高橋竹山(津軽三味線、津軽三味線の第一人者、パリ公演)
高野佐三郎(剣道家、近代剣道の始祖、昭和の剣聖)
藤波辰巳(プロレス、ドラゴンスープレックス、IWGP王座)
別当薫(野球、野球殿堂入り)
西本幸雄(野球)
東尾修(野球、投手、「ケンカ投法」、西部ライオンズ、監督)
福留孝介(野球、野手、中日ドラゴンズ、2002年の首位打者)
神和住純(テニス、25歳でトーナメント・プロ第1号)
布谷章山(占術家・四柱推命、天祥館二代目館主、当代の名人)
長武寛(占術家、元記者、象学の祖、心霊研究、易・気学・推命)
易八大(占術家・日本断易学会理事長、妻自殺、女好き、急死)
仲山和輝(催眠療法士、クリア研究所・所長、TV出演)
紀藤正樹(弁護士、第二東京弁護士会所属、TV出演)
J・D・サリンジャー(米の小説家『ライ麦畑でつかまえて』)
ヴィヴァルディ(作曲家・バロック「四季」、カトリック司祭)
アレックス・ファーガソン(サッカー選手、マンチェスタ監督)
【女性】
犬養道子(作家)
高原須美子(経済評論家、前プロ野球セ・リーグ会長)
井上八千代(4代目、京舞、井上流家元、人間国宝、文化勲章)
乙羽信子(女優、夫:新藤兼人監督、「初恋椿」で紅白出場)
京野ことみ(女優「砂の器」、1歳年上の舞台スタッフと結婚)
野村佑香(女優、歌手)
りょう(女優・ファッションモデル、研音、肉食系女子を自称)
浜尾朱美(キャスター)
アグネス・チャン(歌手・エッセイスト、日本ユニセフの大使)
今井絵理子(女優、歌手、<SPEED>のメインボーカル)
木之内みどり(歌手)
庄野真代(歌手)
熊切あさ美(タレント・女優〝崖っぷちタレント〟、プロ雀士)
江川紹子(フリーライター、ジャーナリスト、オウム事件で有名)
カトリーヌ・ドヌーヴ(女優「シェルブールの雨傘」「昼顔」)
デミ・ムーア(女優、米国のトップスター、映画「ゴースト」)